★ 気になるもの・・・・大きな袋 |
最近、気になっているものに大きな袋を持った仏様や、神様いらっしゃいます。あの袋の中身はなんでしょうか。調べてみました。
●風神・・・・風をつかさどる神と言われています。肩に背負った大きな袋、その中は風の素だそうです。袋の口を緩めると物凄い風が吹き出すという。 今年の秋も大空で袋の口を大きく開かないように願いたいものです。
俵屋宗達、尾形光琳の風神雷神図屏風の画が有名ですね。
●布袋さんは太鼓腹の姿で大きな袋を背中に背負っている。唐(中国)末の明州(浙江省)に実在したとされる僧で釈契此(しゃくかいし)という。この袋には旅の途中で施しを受けたものをこの袋の中に入れていたという。
日本で七福神に組み入れられてからは、その布袋さんの容貌の福々しさ、円満な性格から、人生の大事でも小事でも、愚痴や怒るべき事もこの袋の中にしまいこんでしまいます。この袋を堪忍袋と呼ばれ、また我慢の限界をも示します。
堪忍袋の緒が切れた・・・・落語の演題のひとつにもあります。なかなか面白いお話です。
又一説によれば困窮の人に会えば袋から財物を取り出しては施し、しかも袋の中身は盡きることがなかったと言います。
●大黒さんも七福神の一柱で右手には小槌、左の肩には大きな袋を担いで米俵の上に座っています。
袋の中には仏教の経典によれば七宝が入っていると言われています。七宝とは人間にとって最も大切な七つの宝物、寿命、人望、清麗、大量(度量の広い事)、威光、裕福、愛嬌の意味を表す七つの精神的宝物の事です。
又一説には、仏教の経典無量寿経には物質的な宝物で、金、銀、瑠璃(るり)、玻璃(はり)、シャコ、珊瑚(さんご)、瑪瑙(めのう)の7種類の七宝が入っているとも言われています。
大黒さんは奈良時代の古事記に登場します。神道の神「大国主命」・・・・そう因幡の国で白兎を助けた神様です。
もうひとつ、元々はインドの神様でマハーカーラ(大黒天)、インド密教として日本に伝来・・・・どちらも大きな袋を担いでいました。いつの間にか風貌が似ていたので同じ神様と考えられるようになりました。
●サンタクロースも大きな袋を持っていましたね。中身はゲーム機やおもちゃ、子供の喜びそうなものばかりです。クリスマスの前夜に良い子にプレゼントをしてくれるという。
サンタクロースは正教会では「奇蹟者」の称号をもつ聖人です。サンタクロースはギリシャ語表記で聖ニコラオス(セントニコライ)であり、オランダ語でシンタクラース、後にアメリカでサンタクロースと呼ばれるようになったそうです。
★ 補足 七福神について。
寿老人の「寿命」、福禄寿の「人望」、恵比寿の「正直」、布袋(ほてい)の「大量」、毘沙門天の「威光」、大黒天の「財富」、唯一の女神である弁財天(べんざいてん)の「愛敬」。
この七福神が一つの船に仲良く乗った宝船の画を良く見ます。この七人の神々を信仰することによって、七つの福徳を一身にうけ、社会の荒波を無事に乗り切っていけるようにという大きな願いが込められています。
★ 京都・清水寺においては この七福神にお多福を加えて八福神としている。
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