思わぬ所で偶然に出会う事が時々ある
・・・・・・・・・・
青空に映える紅葉 柔らかな陽が
妻とのデートをやさしく照らす
落ち葉の絨毯を踏みながら散策する二人
先ほどから私達の前を歩く一人の女性が時折振り向く
妻が私と少し離れて先を歩いて行くと
件の女性が近寄って、そっと声を掛けてきた
「お久しぶりね……」
「私、ゆう子よ」「お変わりな〜い!」
随分、昔に付き合っていた女性である
「ヤ〜 まだ一人かい」
「娘と二人よ、あの時の……」
「まさか……!」 ドキッとした
「ジョウダン……冗談よ」ニコリと笑う
女性は恐い 魔女である 天使にも悪魔にもなる
「今、お話をしていた人 どちらの方」と妻
「ちょっと、昔の知り合い……」
「昔の彼女 ? お綺麗な方……」
女性は恐い 観音と思いきや時には夜叉にもなる
はらはら舞い散る紅葉 心なしか
そよ吹く風も薄ら寒く感じられる
・・・・・・・・・・
女性は魔女である、時には天使でもあり悪魔にもなる。
外面から見ると観音、その心の奥に潜む夜叉の顔
だから男性は惹かれるのである、女性の心の奥深さに。
エッセイに戻る