さらに尾根筋は南から西に続き大阪府と和歌山県の県境に和泉山脈となりこの主峰を和泉葛城山(858m)と言う。この尾根筋を大阪府によって整備された自然歩道、総延長45kmの従走路をダイヤモンドトレール(通称
ダイトレ)と呼ばれる。
久しぶりに葛城山から水越峠、金剛山の予定で登山。この日は曇り空で天気が悪かったのですが、奈良県側の葛城山登山口から櫛羅の滝コースを歩いて来ました。ここには平行して葛城山ロープウエーもあり、雨になれば戻る事も可能なので安心して歩けます。
近鉄御所(ごせ)駅から一時間に一本の奈良交通バスで葛城ロープウエー駅まで。小型のバスで20人あまりのハイキング姿の男女で満員。天気は曇り空で山の中腹はガスがかかっている、雨だろうか。
バスがロープウェイ前バス停に到着すると連絡しているロープウエー乗り場にぞろぞろと歩いて行く。 私を除いて全員がロープウエーに乗車した模様。一人でとことこと山道に入って行きました。途中頭上を見上げると今先の乗客がこちらを見下ろしている。やはり乗ったほうが良かったかなと少しずるい考えが頭をよぎる。
櫛羅
(くじら)の滝に寄って写真を撮るも薄暗い。何時もより水の流れが多いようである。
次にロープウエーの下を横切って急な階段状の道を急ぐ、途中大きな石がごろごろと転がっている。落石注意である。二の滝
(行者の滝)に着く。ここで雨がポツポツ、頭の上は木々に覆われてたいしたことは無い。
しばらくすると雨がやんだ。やがてなだらかな杉林の中を大きく曲がる中を歩く、間伐材が木立の中に転がっている。
手入れが行き届いて明るい杉木立の中を一息つきながら歩く、ここで登りの中ほどである。
ここからは岩場の道、急な階段の道が所々続く。急な登りの途中で下山者に出会った。待っていてくれる、「お疲れさん」「お気をつけて」。
山頂まではもう少しである、
少し休憩をして水を補給。ここから右に歩くと葛城山ロープウエー乗り場からの葛城山登山ルートが山頂に続く。時間の関係で左に曲がって水越峠に向かうことにする。
自然林を抜けると散策路、5月頃にはピンク色のつつじの花が一面に咲き観光客で埋め尽くされる。勿論ロープウエーは2〜3時間待ちは覚悟をしなければならない。
散策路を出た所が国民宿舎葛城高原ロッジの前、ダイヤモンドトレールに出る。ススキが茂り遠くの山々がきれいに見える。山の中腹にはガスが薄くかかっている。
ベンチ
もありここで昼食にする。ここからはダイヤモンドトレールを水越峠に向かって下りる事にする。峠からは再び金剛山(1,125m)に登る予定であるが、時間の余裕が無い。
取り敢えず急ぐ事にした。この階段は段差が大きい。一気に降りることが出来ない、足の緩衝装置が壊れかけた私には無理である。ゆっくりと一歩一歩踏みしめて歩く。少し緩やかな所は時間を稼ぐが、ほとんど段差の大きい急な階段である。
ここ
では元気に登ってくる若者とであった。峠に自動車を置いて足腰の訓練の為に往復しているという。体育会系の人でしょうか。良く整備されているが石畳の道には参った。小雨に濡れた急坂でゴツゴツした石があるので足場が悪い。案の定滑りかけて足に力がはいってくねった。左足のふくらはぎが攣った。今度はこの足をかばいながら反対側の足が滑る、登山用ストックを持っているのでまだバランスが取れるが、足が引きつる。路の真ん中に大きな石があったので座って少し休憩。
もう水越峠は近い。ここで金剛山への登頂はあきらめる。バス停はあるがバスは来ない、土、日曜だけである。ここから4kmほど大阪寄りに歩くと金剛バスの東水分(ひがしみくまり)バス停があり、近鉄富田林駅までのバス便が1時間に一本ある。
国道(旧309号線)に出ると車が数台止まっている。登山者の車だろうか、金剛山、葛城山、どちらにも登山口になっている。この水越峠には大阪と奈良の府県境の標識が立っている。足の下はバイパスの水越トンネル(309号線)が走っている。従ってこの旧国道には自動車の往来が少ない。
丁度、峠では登山者のご夫婦が一台の車に乗ろうとしている。ヒッチハイクをお願いすると気持ちよく受けてくれ、奈良県側に帰るという。どちらでも良いので奈良交通の上名柄バス停までお願いしたが、奈良の御所(ごせ)を通るという。あつかましく同乗させていただいた。
途中祈りの滝で持参のポリタンクに水を汲まれていた、良く汲みに来られるそうである。近鉄御所駅まで寄って頂いた。午前のスタート地点である。有り難う御座いました。
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この紀行文の登山道「櫛羅の滝コース」は平成20年10月に歩いたもので、21年10月の台風でこの登山道は通行禁止になりました。
その後22年3月に新登山道「北尾根コース」が整備開通しました。
●「櫛羅の滝コース」が一部迂回路を通して24年3月開通したようです。