オモイツクママ

二上山
   ◆ 二上山 登山【118】

平成22年11月30日
ハイク登山 エッセイ 旅行日記 短編小説 詩(poem) スキー紀行 写  真
  二上山の雄岳と雌岳を大阪府と奈良県の県境になっている
● かき数ふ 二上山に 君と見た 雄岳と雌岳 一人越ゆらむ ‥‥オモイツクママ
   雄岳山頂には非業の死を遂げた天武天皇の第3皇子大津皇子の墓所がある。
 近鉄南大阪線、奈良県葛城市の二上山駅を起点に二上山(にじょうざん)に登山、そして当麻寺(たいまでら)駅まで約6kmのコースをハイキング。
二上山には二つの山頂、雄岳(517m)、雌岳(474m)があり、大阪、奈良からもはっきりと視認出来る人気の登山コースです。専称寺大阪側からの登山は上ノ太子駅から歩きます。
 車での場合は少し南の国道165号線、新在家北交差点を西に直ぐ道の駅・ふたかみパーク當麻に駐車場(無料)が有り、売店で買い物も出来ます。ルートは二上神社口登山コースをとり、帰りは当麻寺駅に歩いて電車で二上神社口駅まで一駅戻ります。

 今日は二上山駅を出て西に踏み切りを渡り民家の中を通り抜登山口けると専称寺、春は境内の枝垂桜が見事だという。 
 続いて春日神社そして国道165号線大和高田バイパスに架かる歩道橋を渡ると二上山 登山口、ここから登山道に入ります。広くて快適な道が続き、時折小鳥の鳴き声が聞こえる。しばらく平坦な道を歩く……、前方に登り階段があるが通行止めの標識、二上山雄岳山頂は左に道をとる。 (下図ルート地図では直進しているが通行止めとある。左・二上山2014年【183】には直進可に、階段が合流点まで続き、左にとった道と二上神社口からの道と三本が合流する。)
 此処からは急な階段がしばらく続き、突き当たりを右に尾根道にはいる、休憩用のベンチもある。しばらく歩くと左からの登山道と合流した。標識には此処まで2km、また左の登山道は二上神社口駅から1.2km、3人連れの女性パーティが登ってきた。
 
二上山 地図

 しばらく緩やかな登り道を歩いていると右側の木々の間をがさがさと音がする。弱い視力のメガネを掛けているのではっきり判らないイノシシか、クマか、20m程静かな山中をずっと動く音が付いて来る、気味が悪い。前方の急な階段を上ると音が消えた。一人歩きは心細い時もある。

 前方の岩の間にかかった急な鉄の階段を後ろ向きに下りてくる女性がいる。良く見ると白い大きな犬が続いて紐につながれてゆっくりと降りて来る。
 「このワンちゃんは階段に弱いんですのよ」なるほど犬も階段に弱いのか……。犬も登山が好きなのでしょうか、前にも槇尾山を歩いたとき犬と歩く人に出会いました。

 NJ003.JPG左手遠くに金剛山、そして葛城山、手前の低く見える山が岩橋山。木の枝にさえぎられて綺麗にはっきりと写真が撮れません。
 やがて雄岳山頂に到着、山頂は広く平坦な所に葛木坐二上神社が在る。そして近くには大津皇子(おおつのみこ)の墓がある。大津皇子は天武天皇と天智天皇の皇女、大田皇女(おおたのひめみこ)との皇子である。天武天皇が崩御すると朝廷に対して謀反の疑いをかけられ無念の自害させられた。1983年5月に二上山の麓で鳥谷口古墳が発見、大津皇子の墓はこちらではないかという説がある。
 万葉集には姉の大来皇女(おほくのひめみこ)の歌、
「うつそみの人なる我や明日よりは 二上山を弟(いろせ)と我が見む」

金剛山・葛城山を望む

 南の方向に少し下がったところに雌岳が見える、此処からは下りで馬の背まではジグザグに曲がった階段が続く。以前は大きな岩がゴロゴロして歩き難いところがあったが木の階段で整備されて歩き易くなっている。

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 下の方から人々の賑やかな声が聞こえる、雌岳からか。やがて馬の背に出た、多くの枝道があり、西にダイヤモンドトレールの起点、穴虫峠から屯鶴峯に歩く。南に下山、竹内街道を大阪方面に歩くと近つ飛鳥(近つ飛鳥〜平石峠紀行)に。東に奈良・祐泉寺、當麻寺(たいまでら)に降る。

 馬の背から雌岳山頂上り返して雌岳山頂である。山頂では多くの人がベンチに座って昼食中、私もここでお弁当を食べる。大阪は寒かったのに山頂は暖かく穏やかな、ゆったりとした時間が流れてゆく。真っ赤な山茶花の花が生い茂る濃い緑の葉中にひときわ目立つ。春は桜の花が美しい。
 下山は竹内街道に降りると交通の便が悪いので今回も當麻寺方面に歩く事にした。雌岳から岩屋峠に祐泉寺、當麻寺に歩く。

NJ009.JPG

 岩屋峠まで整備された階段がジグザグに続くが杉の木が多くこの季節落ち葉が少なく歩きよい。岩屋峠で少し寄り道をして南に20mも少し歩くと岩屋がある。この間道は聖徳太子が引いたと言い岩屋道と呼ばれ、當麻寺への近道として利用された。江戸時代には松尾芭蕉や貝原益軒も歩いたという。

 岩屋千年杉は奈良時代石窟寺院跡で,凝灰岩を削って造られた大小二つの石窟と三重の石塔が,昭和23年に国の史跡に指定されている。中将姫が當麻寺の本尊、當痲曼陀羅(国宝)をここで織ったとも云われています。
 また岩屋の近くには根周り6m近く樹齢数百年、岩屋の千年杉と呼ばれていた大木があったが、平成10年9月の台風で倒れ、現在は一部だけ保存されている。

NJ012.JPG NJ013.JPG NJ014.JPG 

 再び戻って岩屋峠から祐泉寺には石ころの道が続き落ち葉が積って歩きにくい所もあるが、途中の水飲み場でのどを潤し、30分も歩くと祐泉寺に着いた。
祐泉寺 ちょうど紅葉が見頃でしばし見とれる。此処からは舗装された道になり、途中右に釣り堀を左に大池ではカルカモが遊んでいるのを見ながら當麻寺方面に向かう。この辺りから後ろを振り返ると今歩いた雄岳、雌岳が連なった二上山、岩橋山、少し離れて葛城山、金剛山が並んで見える。もう直ぐ近鉄南大阪線、当麻寺駅である。
右から雄岳・雌岳 

 今回、往路は大阪側の車窓から見慣れた二上山、岩橋山、葛城山、金剛山。電車の線路は奈良県に回り込み、見上げると反対側から見る連山。この稜線(ダイヤモンドトレール)がほぼ府県境になっている。

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