山辺の道(山の辺の道)を約8.5km、天理駅から天理市トレイルセンター(柳本)まで神話と伝説の世界にタイムスリップ……シニアの二人で暖かい日差しの中を古代ロマンのあふれる野辺の道を美しい山並みと大和盆地を眺めながら長岳寺までを秋のハイキング。
(11時30分)
JR桜井線、近鉄天理線のローカルな鉄道駅としては立派な駅舎である。近鉄線の駅でこれから歩く山の辺の道コース「テクテクHまっぷ」を参考に貰う。駅前の広場の信号を渡るとアーケードのある天理商店街が続く。商店街入り口には天理市観光案内所がある。
ここからは北に長いアーケードのある商店街、天理本通りが続く、天理教の法被を着た人々の姿が目立つ。
国道169号線の信号を渡り、アーケードを通り抜けると左に天理教教会本部があり、天理教関連の建物が立ち並ぶ。
さらに進み天理環状線の信号を右に布留川を渡るとまもなく石上神宮(いそのかみ)、左に曲がって参道が続く。休舎があり鶏が放し飼いに、
すぐ横に天然記念物の淡水魚ワタカ(馬首)がすむ池があるが、濁っていて良く分からない。石上神宮には多くの国宝、重文があるが七支刀(ななつさやのたち)は有名である。
神宮にお参りしてから山の辺の道(東海自然歩道)に歩く。
ここから南に桜井までを山の辺の道(南コース)という。所々に文学碑、万葉歌碑が立つ。
次は内山永久寺跡、永久2年(1114年)鳥羽天皇の勅願により建てられた寺で醍醐天皇が吉野に遷行された時立寄られた。明治の廃仏毀釈により廃寺となり、本堂池が水を湛えるのみ。近くに新しい休憩所が少し高台にある。ここ
で昼食に。景色もよく遠く天理の市街が、周りには柿がたわわに実っている。
この時期、この辺りには多くの柿の木が植樹されて赤い柿の実が鈴なりに生っている。路傍には所々に蕎麦の花、コスモスの花が愛らしく見送ってくれる。
やがて夜都伎神社(やつぎじんじゃ
)を過ぎ5分ほど歩くと右側に無人販売所「せんぎりや」がある。
店内ではコーヒ、紅茶、紙コップまであり無料で休憩できる。備え付けのノートにはぎっしり感謝の言葉が書いてある。数年前にも訪れたことがある。
せんぎり大根、みかん、ソフトクリーム、カキ氷…100円である。
他にビールまである。
竹之内環濠集落を過ぎ墓地に囲まれた狭い道を抜けると念仏寺、門前の道を挟んで可愛らしい、大きな石のお地蔵さんにカメラが向く。
やがて大和神社御旅所、その前にいるおじさんに声をかけられた、干し柿用の渋柿、一個10円、安い。しかし重い……「後
で車で取りにくる人がいるよ、電話をかけてくれれば」……妻は渋柿に渋る(笑)。今年大阪は暖かい、冷たい風が吹かないとカビが生えてしまうからと。熟して潰れそうな柿を頂く、甘く美味しかった。いくらでも食べてや、と話が弾む。
やがて左手の山並みの高く聳える山、竜王山である。それを背景に長岳寺が建つ。開基は空海(弘法大師)とされる真言宗の寺院である。
すぐ近くには天理トレイルセンタ、立派な建物で駐車場も広くトイレ、案内所、湯茶もあり、休憩が出来る。ここから竜王山への長岳寺ルートの登山口になる。山の辺の道はこのあと桧原神社、大神神社(三輪明神)、桜井駅へと、まだ約8kmの距離はある。
(16時14分)
ここでタイムアウト今日はここまでにする。国道に出るとバスは一時間に一本、桜井駅までのバスは遅くなりそうなので天理駅行きのバスで戻る事にした。JRの桜井線の電車もあるが……。