大阪から国道308号線を暗(くらがり)峠を越えて奈良までのハイキングです。
近鉄・枚岡公園駅をスタート、308号線は大阪と奈良を結ぶ一般国道で暗越奈良街道(くらがりごえならかいどう)と呼ばれています。車道としては狭い道路、急登の曲がりくねった舗装道路、標高差405m、最大斜度は31度もあると言われています。
枚岡公園駅前(標高49.7m)から暗峠(標高455.1m)を越えて南生駒駅(標高111.1m)までの歩行距離は6.46kmです。
奈良時代から生駒山地の暗峠を越えて難波津(大坂)と平城京(奈良)を結ぶ最短の道路、八里八町(約34km)の道で頂上付近の峠は古来からの石畳になっていて道しるべなどもある重要な交通路でした。お伊勢参りの人々などで茶屋や旅籠などで賑わったようです。
昭和61年「日本の道100選」にも選定されました。
現代は一般道路として整備されたが道幅が狭く急な勾配のコンクリート舗装は滑り止めがなされていて別名は酷道308号線と呼ばれ、車の通行量は少なく現在は登山道、生活道路として使われています。
また峠が大阪府と奈良県の府県境になっています。峠の奈良県側は短いトンネルとなっていて上部を生駒スカイラインと交差しています。
8:30
今回はこの国道を歩いて暗峠を越え、奈良までハイキングを楽しんできました。枚岡駅を出ると市街地の狭い道路を北方向に歩きます。歩く道は狭く住宅の中を曲がっていて定かではないが目標は豊浦川です。小さな橋を渡って川沿いを国道が東西に走っています。 歩く事600m、10分ほどで国道に出会いました。
国道は急な登りの曲がりくねった狭い道路です。コンクリートで舗装され、急坂の為、丸いすべり止めがなされています。
くらがね橋「椋ケ根(嶺)」を過ぎるとやがて右側に松尾芭蕉の句碑があります。
1964年9月9日、芭蕉は病の身で門人たちと奈良を発ち、この急坂の峠を越えて大坂に入る途中で詠んだ句
「菊の香に
くらがり登る 節句かな」
この暗峠越えが芭蕉最後の旅となり、大坂に入ってまもなく、10月12日に御堂筋の花屋仁左衛門の屋敷で亡くなりました。
辞世の句
「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」
御堂筋の南御堂前の車線の分離帯に「松尾芭蕉終焉の地」の石碑が昭和九年三月大阪府によって建立され,この辺りが花屋仁左衛門の屋敷跡で句碑は南御堂の境内の庭園にある。
9:00
右側に赤い橋の豊浦橋(豊浦橋北)、ここは北(左)に歩くと額田山展望台を経由して双子坂で枚岡公園を出て摂河泉ハイキングコースが生駒山上に続きます。南に橋を渡って登山道は枚岡山展望台を越えて神津嶽ハイキングコースで生駒縦走コースに続きます。
此処は直進、急な登りの国道(暗峠奈良街道)を歩きます。 6月と言えども暑い、汗でぐっしょり。右に観音寺で真言宗の立派なお寺です。休憩を兼ねてお参り、境内を散策、天竜の瀧から流れる冷たい霊水「観音延命の水」でのどを潤す。
ここで、この先の急坂に自分の齢(79才)を考えてリタイヤを決定します。
お寺にお参りしてから元の道を下り豊浦橋から登山道を歩き「神津嶽ふれあい広場」を経由して再び国道に戻る事にします。距離は遠回りで長くなるが舗装されていない登山道で足にやさしく歩きやすい道です。
9:30
豊浦橋に戻って赤い橋を渡って枚岡山展望台までは600mで15分です。ここでしばし休憩します。
ここからは神津嶽コースに入ります。さらに階段を上って登山道を350m歩くと左右に広く舗装された「らくらく登山道」に出ます。こには「神津嶽ふれあい広場」で昼食にします。
10:00
昼食後は広い舗装道「らくらく登山道」を左に歩きます。神津嶽コースは数m歩いた右の細い登山道に入り「なるかわ園地」方面の登山道です。
ここは「らくらく登山道」を直進、途中に弘法の水があり祠が祀ってある。以前はここで冷たい水を飲んでいましたが、今は飲料に適さないようです。700mほど歩くと国道308号線に交差します。ここからは右に再び狭い国道(酷道)を歩く事にする。
更に進み途中のX交差は直進して生駒縦走コースを横切ります。
やはり急坂ですがやがて村落が並び、足元は石畳の道になっています。道路沿いには地蔵堂があり地蔵堂の脇に常夜灯や道標、峠の説明板が建っている。
峠には大きな石に暗峠と彫られた石碑があります。標高455mで大阪府(東大阪市)と奈良県(生駒市)の境界です。
枚岡駅から暗峠まで2.45qでした。
〇 初夏を背に 車もあえぐ 暗がり峠 歴史を訪ね 古道を歩く ‥‥オモイツクママ
10:40
前方にトンネルが見え、上を南北に信貴生駒スカイラインが走っています。峠の茶屋は今日はお休みです。暗峠からトンネルをくぐり奈良県側のゆるやかな下りの国道が近鉄生駒線・南生駒駅までは4.01kmです。
トンネルをくぐるとカフェ友遊由があります。
ここに西畑線
暗峠[生駒市コミュニティ]バス停があり、南生駒駅に一日四便あります。
道路沿いには野菜の無人販売所、そしてニワトリの鳴き声が聞こえてくると養鶏所か、道路横に無人販売所が暗峠たまごと鶏肉が置いてある。やがて右に棚田が見られ田園風景が広がっています。
11:55
竜田川を渡るとすぐ南生駒駅です。竜田川は大和川の支流で奈良県を流れる一級河川です。
12:09分
南生駒駅発、生駒駅経由で大阪上本町まで30分、400円です。