これから夏にかけて暑くなってくる季節、新型コロナ予防の為にマスクをして歩くのは息苦しく大変です。登山靴を履いて背中にリュック、ストックを持って電車、バスで移動は後ろめたくて出かける気分になりません。家でこもっているのもストレスがたまり、また運動不足になります。今日は歩く人の少ない裏道を通って大和川の堤防沿いを歩きに出かけました。
前回【266】は近鉄南大阪線・針中野駅から長居公園〜住吉神社に歩きました。今回は南に歩いて25分余り、大和川の下高野大橋に歩きます。南北に並行して近鉄南大阪線が走っています。
下高野大橋の手前には「ふれ愛温泉矢田」があります。1988年大阪市内で初めて掘削に成功した天然温泉で「大和川矢田温泉」として登録。(料金:大人450円・サウナ利用料(貸バスタオル付き)100円)
玄関わきには外部から直接利用できる足湯(無料)が併設されています。
大和川堤防沿いの土手には桜並木が春には桜の花が見事です。橋梁を走る近鉄線の車内からも満開の花が眺められます。
かつて、この右岸の堤防沿いに関西本線の八尾駅から阪和線の杉本町駅に電化された単線の線路、阪和貨物線が走っていました。一時は貨物列車だけでなく特急列車、団体列車などの旅客列車も走っていましたが2009年3月廃線になり、今はレール、信号機も撤去され跡形もありません。
大和川に架かる橋梁、そこを走行する近鉄電車の車両の写真を撮っていると南大阪線・吉野線を走る3両編成の観光特急「青のシンフォニー」走ってきました。
この辺りは河口から9.0kmのポストが立っています。河口に向かって土手沿いを歩きます。近鉄線の橋梁、下高野大橋、川沿いを西に200m程歩くと長居公園東筋・大阪狭山線に架かる行基大橋です。(下高野大橋と行基大橋、共に府道26号大阪狭山線です)。
此処から回り道をして南に行基大橋を渡って大和川を離れ、大阪狭山線を歩きます。徒歩約20分で西除川(にしよけがわ)の天見大橋です。西除川は下流で大和川と合流します。
橋を渡って西に西除川の堤防の遊歩道を歩きます、この川の源流は狭山市の狭山池です。綺麗に整備されています。松原市内を南北に流れる西除川に設置された全長約4kmの遊歩道です。別名を天道川とも呼ばれています。途中から大和川に並行して西に流れ大和川に架かる吾彦大橋の下流、常磐町で合流しています。
なお合流地点の大和川の水位が高く西除川はここから更に大和川と平行して水路を浅香付近まで延長して合流している。現在は阪神高速道路大和川線の工事のため一部埋め立てられていました。
● 江戸中期、大和川付け替え工事について(上記地図)
駒川・今川はかつて河内長野の天野山を源流として狭山市の狭山池から天道川(西除川)として現在の駒川と今川に流れていました。
一方、石川(柏原市)の合流点から北西に流れる旧大和川(玉串川、長瀬川、平野川)の流域の度々の堤防決壊による洪水被害に、1704年
公儀普請(幕府の費用負担)で大和川は石川(柏原市)の合流点から西に堺浦(堺市)まで約14kmの付け替え工事が行われます。
以来、天道川はこの新大和川によって分断されて西除川(にしよけがわ)として西に流れ堺市浅香山町で大和川の左岸に合流されます。5世紀に築造された古代の依網池(よさみ池/住吉区庭井)も大和川により分断・縮小されます。大和川の北側に残された駒川・今川もその水源を失い、同じく残された依網池の水を源流としていたが、昭和40年頃には徐々に埋め立てられてその姿を消し、水源としての機能を失っていきました。
その後、水源を失い生活用の排水で「どぶ川」と化した河川に大阪市平野下水処理場で高度処理された水を源流として駒川と今川(一級河川)の上流にあたる長居公園通りに送水され、これにより綺麗になった川には鯉の泳ぐのが見られるようになりました。この高度処理水を源流として生野区の今林で東から流れてくる平野川と更に合流して北上、大阪城の北側で第二寝屋川から大川(旧淀川)に流れ込んでいます。
● 参
考
『依網池は灌漑用の溜池として築造は日本書紀・崇神天皇62年の条に「冬十月、依網池を造る」と記録が、また『古事記』崇神天皇段に「又是の御世に、依網池を作り」とあります。そして仁徳天皇、推古天皇の時にも築造の記述が見られます。依網池は我孫子・苅田・庭井から堺市常盤町にまたがる古代の巨大な人工池で、面積は30〜60haと推定され、この地域は屯倉(みやけ・大和朝廷の直轄地)となっていた』
【写真】右、阪神高速常磐出入口です。
府道28号あびこ筋、北に大和川で吾彦大橋です。此処は左、南に歩くとすぐにイオンモール北花田店です。(地下鉄御堂筋線・北花田駅) 此処で休憩、喫茶します。新型コロナの影響で座席も広く取ってあるが客は一人もいません。
大和川堤防に出て左岸を河口に向かって歩きます。前方にはJRの橋梁が見えます。橋梁をくぐって大きく左に回り込むとJR浅香駅です。(天王寺駅まで22分)
さらに堤防沿いを西に200mで川沿いに浅香山浄水場があります。
毎年5月にはつつじの花が一面に咲き一般公開されつつじの名所として有名です。その先は府道30号線あべの筋に架かる遠里小野橋ですが、今日はこのJR浅香駅でゴールにします。
歩行距離:約13.7q、 行程時間:3時間20分(喫茶・休憩含む)