短篇小説・・・ オモイツクママ


 ◆短編小説・
救急入院体験記【n12】


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 〇 救急外来(総胆管結石症 胆石症)入院体験日記

 夜間からみぞおち付近が痛い、我慢できなくて土曜日早朝になって救急車で搬送。救急病院は我が家から近い病院に搬送された。(初診料には時間外特例加算がバッチリ)
 検査で初めてのCT撮影(コンピューター断層撮影)を行い、診察の結果何処にも異常が見つからないと当直の医師はいう。
 痛み炎症止め(ロキソプロフェン錠60)と胃炎の薬(プロテカジン錠10 )を2回分貰い、痛み止めはその場で飲み、明後日の月曜日に一般外来で見て貰うように指示され帰宅する事にした。

 帰宅後一時間して病院の救急部長から直接電話がある、検査報告書から急性胆嚢炎の疑いが出た、胆嚢に異常が見られ、一部が腫れているという、直ぐに来られないかといわれる。
 救急外来を再び訪れると改めて診断結果の説明を受け、血液検査のため採血をする。CRP値(炎症の基準値)および白血数が少し高いだけで、点滴注射をして帰宅することになった。痛みが出ればすぐに何時でも救急外来に来るように言われる、一応痛みは軽減された。

 月曜日は一般外来の受付は8時30分から、9時から診察である。火曜日は妻と紅葉の軽登山の予定で、早朝に痛みが少しあったので8時ごろ救急外来の受付に行くと直ぐに当直の先生が診察をしてくれた。

 それからが大変であった。血液検査をすると前日よりCRP値が大幅に高くなっている。超音波検査(エコー)を行い、続いてうわさに聞いていた数億円はするというMRI での検査、MRI撮影(核磁気共鳴画像法)を行うという。検査着に着替えてあの大きな機械の中に、検査技師に聞くとドイツのシーメンス社製だという。超強力な磁場の中に入るので金属類は一切身に付けられない。
 検査には随分時間がかかったように思うが、後半は工事現場のようなドン、ドン、ドドーンと鈍く響くような音がドームの中で何回も長い時間響く。日本製も同じようなものだという。

 その後は点滴注射・・・・どこからか違った方向に進んでいるようである。
 バックヤードでは我が身の知らぬ間に静かに人生の岐路を歩んでいる、人生とはこんなものかと。家族の方に連絡を、点滴中で医師からは同じ病院内で勤務中の妻に院内電話を入れて貰う。携帯電話が使えないので担当科長に電話連絡をしたという。

 やがて、ベッドの予約が取れました・・・・10時入院決定、入院して頂きます。
 これも直ぐ妻に連絡をしてくれる。何と検査着を着たまま救急外来から一般外来にバトンタッチ、着ていた服はそのまま看護師が病室まで運んでくれた。パジャマも着替えも何も持たずに手ぶらでの入院である。明日の登山は・・・・

 妻が来て担当医師(女医さん)から検査の結果と手術内容の説明を聞く。胆管に3個の結石があり、胆管に石がたまる総胆管結石症で胆管炎を起こし、胆汁の流れが悪く、これが原因で胆嚢にも細菌感染で炎症を起こしている。今回の痛みはこれらが原因の急性胆のう炎で胆嚢も腫れているという。
 外科で無くて内科での処置で胃カメラ(内視鏡)を使ってチューブを十二指腸まで挿入して(ERCP検査)、高周波ナイフで乳頭を切開し胆管出口を広げ胆管結石を取り出すという(内視鏡的乳頭括約筋切開術EST)。胆管結石の除去後も炎症が強ければ外科での手術が必要になるとの説明でした。
 最後に合併症について恐ろしい事を言う(発生頻度:0.84%)・・・・詳細を聞か無かった事にする(わけはいかないが・・・・涙)。

 一応、外科手術でなくて良かった・・・・・と思ったら胆嚢にも小さな結石が一個あるという。これは外科手術が必要で今は小さくて急ぐ必要はないが、心しておくようにと先生には言われる。75歳も後半である、このままで済ませたいが馴染みの看護師さんや管理栄養士さんまで再入院の予定を待っているかのようである(涙)。

 入院説明書を読んでいると入退院の為の一時帰宅がある。一時帰宅したいというと看護婦さんがビックリしていた。それでも先生に聞いてみますと、‥‥許可が下りて点滴を外してもらい妻と一緒に帰り、着替えのほかパジャマ、日用品などを準備する。タブレットかパソコンを使いたいが、病院にはWi-Fiサービスが無いという。取りあえず小型ラジオ、時計、テレフォンカード(スマートフォン、携帯電話は所持していない)などを用意、時間があっという間に過ぎ病院に戻る。今日一日食事はまったく取れない、いや絶食である。

 火曜日(絶好の登山日和‥‥)は、午後から処置室にベッドに寝たまま移動、歩くというが術後は必要で駄目だと言われる。口腔から胃カメラを使ってカテーテルで胆管結石を除去すると言うのである。検査台に横になり、酸素チューブを付けマウスピースをして喉に麻酔をスプレーします・・・・ここ迄で後は記憶にありません。
 
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 気がついた時は病室のベッドの上で痛くも、かゆくもないままに処置は終わっていました。

 水曜日も絶食、
 木曜日看護師さんが「シャワーを浴びませんか」という、「お風呂の方がいいですね」。 12時から1時は昼食時で空いているという。点滴チューブを外し防水して頂き広い浴槽で最高の気分。
 病院でも「心身のリラックス出来るように温泉を掘ったら」と看護婦さんに話したら「なに言ってんの、そんなお金があったら給料をもっと出して欲しいわ」と言われた。風呂場から外の景色は見えず殺風景、せめて富士山の絵でも描いてあったらと思ったが・・・・冷汗。

 夕食から低脂肪食で全粥である。すこぶる不味い、お腹に流し込むだけで早々から家での食事がしたい。バター、脂身の多い肉、洋菓子、てんぷらなど脂肪の多い食事やカロリーの取り過ぎはいけないらしい。(これでは体力が持たない〜)
 夜、一階フロアーで大阪市大医学部交響楽団の演奏会があった。演奏者は医学部学生で第一部はアンサンブル演奏、第二部はオーケストラ演奏でクリスマスソングなど、妻と1時間位楽しませて頂きました。

 金曜日 退屈極まりない、入浴は毎日予定を聞いてくれる。日曜日を除いて退院の午前中まで入浴ができた、ストレス解消に一番。夜、点滴チューブから開放される、これで自由になる。
 
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 土曜日、日曜日は連休を取ると担当の医師はご機嫌、月曜の血液検査の結果がよければ退院ですよと嬉しい診断、先生もごゆっくり家庭サービスを。後で気がついた日曜日の一時外出の許可を貰っておくべきだったと。まあ良いか後二日・・・・

 月曜日 血液検査の結果、良好で退院の許可が出る、予定より早い。体調はまったく普段通りで距離は少しあるが運動がてら歩いて帰ることにした。
入院費もカードで支払いが出来て便利になったものです。

 今回は初めての検査機器 CT、MRI、エコー、胃カメラで興味の方が先にたちました。技師さんにいろいろ質問しちゃって、検査も苦痛を感じませんでした、術後も含めて・・・・
 一週間後には京都の伏見稲荷から京都一周トレイル東山コースの一部約9.05kmを京阪・清水五条駅まで歩きました。 
                 リンク⇒伏見稲荷大社【214】 

最後に救急センターの医師、看護師さん、入院中お世話になった医師、ナースセンターの皆さん有難うございました。
 また、大阪市消防局救急隊の皆さんお世話になり、感謝申し上げます。
Nov,2015

● 追 記
 上記の入院体験記は75歳の2015年12月M病院に救急車で入院、病名は総胆管結石、内視鏡で結石を除去して頂きました。総胆管結石、胆のう炎、胆管炎を併発で8日間の入院で治癒、また胆のうにも結石があるので別に外科手術を検討しておくようにとの事でした。
 その後、2017年7月に胸の痛みを覚え救急で診察の結果、(総胆管結石性胆管炎)で内視鏡で結石を除去9日間入院。同年11月に再び(急性閉塞性胆管炎)で11日間入院治療。明くる2018年2月初めに4回目の結石(総胆管結石)を除去、4日間入院です。
 この時の検査で、胆のうにも結石があるので二週間置いて2月19日全身麻酔で腹腔鏡下胆のう摘出手術を行って頂きました。外科で5日間の入院、これで胆石症からの解放か。いずれも麻酔がよく聞いて知らない間に治療、手術が終わって術後の苦痛は入院時の点滴と時間の暇だけでした。(胆管結石で合計5回の入院を行いました。内視鏡による治療及び手術で手術跡は全く残っていません)
 最近の医術の進歩で一週間足らずの入院で退院後は術後の薬の服用の必要もなく、すぐに元の生活に数日後には登山・ハイキングを楽しんでいます。
Fab,2018

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